茶道の可能性

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画像は映画「利休にたずねよ」プロダクションノートより、千利休が愛したとされる黒樂茶碗。

知的障がいのある方への茶道は、その状態に応じて「茶道のどの側面を使うか」が変わってきます。今日のグループは最重度の知的障がいがあり、合わせて麻痺等の身体の障がいを持つ方や多動の症状がある方です。ここでは必ず静かにゆっくり話しかけながら、参加される方の表情や視線・呼吸・身体の緊張等を常に見て進めます。

「こんにちは、今から茶道を始めましょうね、○○さんのお茶を点てますよ…」とお伝えしながら棗の中の抹茶を見て頂きます。じーっと見つめておられます。「抹茶を茶碗に入れますよ…」抹茶椀をお見せし、中に抹茶をおとします。「お茶碗にお湯を入れますよ…」火傷をしないように一度別のお茶碗にお湯をトポトポと注ぎます。利用者の方はそれらをじっと見て、時々笑ったり、はーっと息を吐いたり。静けさの中で、プロセスをしっかり感じて頂く事が大切と思っています。抹茶にお湯が混じり、茶筅で泡立ち、お茶碗の重さを手で感じ、最後には口に運ぶところまで、ゆっくりゆっくりと時間をかけて進んでいきます。

今日は5名の方が一人ずつ順番に参加、全員が集中されて視覚・聴覚・深部感覚・認知・感情をしっかり使って、つまりお仕事をして帰られたと思います。「感じとり」「認知して」「意思通りに身体を使う」というプロセスに困難さがある方にとっては、日常は他人のペースで過ぎていく事が多く、自分の感覚を通して楽しみながらじっくり何かに向きあう時間を作りたいと思うのです。

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by liddell97 | 2015-01-15 21:57 | 茶道プログラム | Comments(0)

横浜市にある障がい者施設の職員です。~ 日々、心が喜ぶものを ~


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