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オイリュトミーと感覚統合

オイリュトミーの実践を始めてから1年5か月が経過しました。
オイリュトミーは感覚統合と共通する側面もあり、「集中して感覚を用い、身体を意図的に使う」ことの練習に大きく役立っていると感じます。

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私たちの日常生活では「歩く」「座る」「立つ」「持つ」「運ぶ」「置く」等の特定の動きが多いですが、オイリュトミーでは普段と違う動き方で筋肉や関節を使い、自分の身体感覚を再認識していきます。加えて動かすスピードや強さも設定していきます。
そして同時に美しい音楽や言葉、オーガニックな道具が加わり作用していくのが、オイリュトミー独特の方法です。それらは身体を通して精神にも影響を与えます。

刺激を受け取り、自分で感覚を十分に使って動きをコントロールしていくため、余計な視覚・聴覚的刺激は排除されている事が前提となります。隣りの部屋の大音響に耐えながら行うものではありません。

身体を意図的に使うプログラムはどんなことに有効なのか。
『発達障害の理解と作業療法」 富山県作業療法士会 発達部会』に解りやすい例がありましたので抜粋しました(青字部分)対象が児童のため「登り棒」等の成人向きではない例もありますが、参考までに。

机に向かって何かを行う際、必ず前提となるのは「安定した座位」です。食事・学習・その他の活動でも座位が安定しなければ効果があがりません。
資料の中に字が上手く書けない子供について、原因の一つに安定した座位が保てないことが上げられ、座位の改善へ向けた取り組みとして青字部分が書かれていました。

●道具の調整
例)椅子や机の高さの調整、滑り止めマットを敷く

●自分で姿勢を保ったり、調整する活動を提供する
例1)トランポリン
 =上下の動きで前庭覚を使う、体にしっかり固有系
例2)エアクッション(座布団)
 =感覚を入れる事で姿勢を調整する

●身体のイメージを作る=固有系をはじめ、たくさんの刺激をいれる
例1)登り棒:しっかり全身で掴まる
 =身体の真ん中の意識(中心軸)を作る 
例2)ヨガ、太極拳、ラジオ体操
 =普段しない動きや新しい動きの経験、体をしっかり使う


「普段しない動きや新しい動きの経験、体をしっかり使う」ことで身体のイメージを形成し、それは座位の安定にもつながるのです。(ヨガ・太極拳・ラジオ体操との違いはまた次回・・・)

感覚統合に関して非常に解りやすくまとめてある資料ですので、是非参考にして頂けたらと思います。様々な活動に応用できます。感覚統合療法は、私たちも手仕事・茶道・造形・音楽・英会話・料理等の日中プログラムで参考にしています。

「発達障害の理解と作業療法」 富山県作業療法士会 発達部会
http://toyama-ot.sakura.ne.jp/ht/hattatubukai.pdf


by liddell97 | 2015-03-29 15:27 | オイリュトミー

横浜市にある障がい者施設の職員です。~ 日々、心が喜ぶものを ~


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