オイリュトミーと感覚統合
2015年 03月 29日
そして同時に美しい音楽や言葉、オーガニックな道具が加わり作用していくのが、オイリュトミー独特の方法です。それらは身体を通して精神にも影響を与えます。
刺激を受け取り、自分で感覚を十分に使って動きをコントロールしていくため、余計な視覚・聴覚的刺激は排除されている事が前提となります。隣りの部屋の大音響に耐えながら行うものではありません。
身体を意図的に使うプログラムはどんなことに有効なのか。
『発達障害の理解と作業療法」 富山県作業療法士会 発達部会』に解りやすい例がありましたので抜粋しました(青字部分)。対象が児童のため「登り棒」等の成人向きではない例もありますが、参考までに。
机に向かって何かを行う際、必ず前提となるのは「安定した座位」です。食事・学習・その他の活動でも座位が安定しなければ効果があがりません。
資料の中に字が上手く書けない子供について、原因の一つに安定した座位が保てないことが上げられ、座位の改善へ向けた取り組みとして青字部分が書かれていました。
●道具の調整
例)椅子や机の高さの調整、滑り止めマットを敷く
●自分で姿勢を保ったり、調整する活動を提供する
例1)トランポリン
=上下の動きで前庭覚を使う、体にしっかり固有系
例2)エアクッション(座布団)
=感覚を入れる事で姿勢を調整する
●身体のイメージを作る=固有系をはじめ、たくさんの刺激をいれる
例1)登り棒:しっかり全身で掴まる
=身体の真ん中の意識(中心軸)を作る
例2)ヨガ、太極拳、ラジオ体操
=普段しない動きや新しい動きの経験、体をしっかり使う
「普段しない動きや新しい動きの経験、体をしっかり使う」ことで身体のイメージを形成し、それは座位の安定にもつながるのです。(ヨガ・太極拳・ラジオ体操との違いはまた次回・・・)
感覚統合に関して非常に解りやすくまとめてある資料ですので、是非参考にして頂けたらと思います。様々な活動に応用できます。感覚統合療法は、私たちも手仕事・茶道・造形・音楽・英会話・料理等の日中プログラムで参考にしています。
「発達障害の理解と作業療法」 富山県作業療法士会 発達部会
http://toyama-ot.sakura.ne.jp/ht/hattatubukai.pdf
by liddell97
| 2015-03-29 15:27
| オイリュトミー